坂本光司さんの本は「日本でいちばん大切にしたい会社」等、何冊か持っていますが、
この「経営者の手帳」も、読んでいるうちに、たくさん付箋をつけていました。
特に心に留まった、とても共感できる箇所を2箇所ご紹介します。
(以下、坂本光司氏の文章)
目次
経営者の最大の仕事は三つだけである。
(P 56〜57)
経営者の仕事は、企業の売上高を高めることでも、コストを下げることでも、さらにはその結果としての利益率を向上させるといった、いわゆる業績を高めるための仕事をすることではない。
もちろん、お客様や仲間との関係性を強めるためと称し、ゴルフ三昧、接待三昧をすることでもない。
経営者の最大の仕事は三つであり、そのためにこそ存在意義がある。
一つは、
社員を中心として、企業にかかわりのあるすべての人々を幸せにするため、進むべき方向を全社員に明示すること。
二つは、
全社員が目標に向かって主体的努力を行えるような、よい職場環境を整備、充実すること。
三つは、
後継者を発掘し、育てることである。
あえていえばこの三つ以外は、社員を信頼し、任せればよい。
経営者とは、「経営」という仕事を中心にやる社員のことである。
(P 58〜59)
一般社員は一般社員の仕事をする社員、
課長は課長の仕事をする社員、
社長は社長の仕事をする社員のことである。
つまり、社員は社長の従属物ではなく、指揮・命令下にあるのでもなく、
単に役割が異なるだけである。
したがって、「俺は偉い、ほかの社員とは違う」などと決して思わないことだ。
経営者は、「経営者」という名の社員であるという視点に立脚し、
経営者としての仕事をとことんやればいい。
経営者が注力すべき仕事は、売上高を高めることでも、コストを抑えることでもない。
一人ひとりの社員がそれぞれの力を発揮できるよう、よい経営を実行することである。
感想
この二つの章を読んで、「坂本さん!! 同感です!!」と思いました。
他の章も、共感できる内容がたくさん。
すでに経営をされている方は「当たり前」と感じるかもしれませんが
これから経営を始めようとしている方は読むと参考になると思います。
本の帯に「真の強者は、弱者に優しい」と記されています。
ずいぶん前に買った本でしたが、
接待三昧で巨額の負債を作った、一戸町の第三セクター前社長や、
「この人、偉ぶるために、この役職に就きたかったのだな」と思うような人に会う機会が
最近度々あるので、再読して余計、目に留まったのかもしれません。
上に立つ人は、謙虚であることを心がけないといけないし、弱者に優しくないといけない、そして、いつも周囲に感謝の心を持っていないといけないと思います。
さらには、私を信じてついてきてくれる社員や社員の家族に対して、希望を与え続けないといけないと改めて思います。